※この記事は『100日後に死ぬワニ』のネタバレを含むので、ネタバレは自己責任の上お読みください。
Twitterで話題を呼んだ漫画『100日後に死ぬワニ』。とうとう100日目を迎えたのですが…『100日目』の作中でワニくんの死因など、はっきりした表現を避けているのです。
今回は、主人公・ワニくんの死因とⅬINEの謎についてまとめました。
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Contents
『100日後に死ぬワニ』ワニの死因は何?
タイトルを裏切ることなく、残念ながら予告通り100日目に死んでしまったと思われる主人公・ワニくん。
「100日後に死ぬワニ」
— きくちゆうき (@yuukikikuchi) March 20, 2020
100日目 pic.twitter.com/r0Idn9I7mR
タイトルは一見過激に思われますが、ほのぼのとした作風のものなので、流血やワニくんが死んでしまうシーンは直接描かれていません。
決定的になるのは、『100日目』の3ページ目。
道路を歩くひよこ、そしてワニくんがひよこを放り投げるようなシーンがあることから車に轢かれてしまった説が濃厚かと思われます。
実はこのシーン、作中に伏線があったのです。
「100日後に死ぬワニ」
— きくちゆうき (@yuukikikuchi) December 14, 2019
3日目 pic.twitter.com/ukitGmmCTo
それが『3日目』の投稿です。
先程、ひよこをかばい『車に轢かれた』説を挙げましたが、序盤の3日目で同様にワニくんが道路を歩くひよこを助けるシーンがあったのです。
最終回で伏線を思わせるシーンが再度入り、ワニくんが亡くなっているので
作者のきくちゆうき先生は、おそらくワニくんの死因に関しては最初から決めていたのではないでしょうか。
『100日後に死ぬワニ』ワニやネズミのモデルは誰?
では、作者さんはなぜワニくんの死因を『交通事故』にしたのでしょう?
実は、これにもある理由が考えられます。
住宅街。
— きくちゆうき (@yuukikikuchi) December 30, 2019
細い路地なのにスピード出して車運転するのやめてほしい。ギリだった。あぶねー
こちらは、『100日目に死ぬワニ』連載中の作者さんのあるつぶやきです。
一見普通のツイートですよね。
しかし、これだけでなく、公式サイトでもご自身の過去について語ったことがあります。
20歳、悟空であり、一緒にプリクラ撮りにいったりした友達が事故に遭い亡くなる。
めちゃくちゃ泣く。
数カ月落ち込む。
ある時、何か出来ないかと思い、絵をまた描き始めた。
引用:stujio-kikuchi.com
かなり仲が良くないと『プリクラを撮る』ほどの距離感にはなりませんよね。
きくち先生が若い頃に、同じように交通事故で友人を亡くされていたからこそ、『100日後に死ぬワニ』のラストをあえてワニくんの死で終わらせたのでしょう。
作者さんにとっては、ワニくんの死は過去の追体験…つまりワニくんのモデルは『作者さんの亡くなった友人』だったことになります。
さらに、ワニくんの友人として登場したねずみくんの言動も、途中まで若干違和感がありました。
「100日後に死ぬワニ」
— きくちゆうき (@yuukikikuchi) March 8, 2020
88日目 pic.twitter.com/KpHGBfEvtU
『88日目』。
ゲームのコントローラーをめぐって、ワニくんの
『死んだらあげるよ』という冗談っぽい発言に対し、ねずみくんは
『冗談でも それは言うなよ』
と真剣な顔で返すのです。
88日目まで、別にワニくんに死への願望や危うい展開があったわけではなく、ねずみくんもまた、毎回真面目な発言をするキャラでもありませんでした。
また、100日目(ワニくん亡くなった日)では、ねずみくんがわざわざワニくんを迎えに行こうとします。
そして
ワニくんのモデル=亡くなった作者の友人
と考えると、
ねずみくん=作者さん自身
なのではないでしょうか。
であれば、作品を通して
- (88日目)『死んだらあげるよ』発言を注意する(=命を大事に考えてほしい)
- (100日目)ねずみくんがワニくんを迎えに行く(=友人を助けてあげたかった・死んでほしくなかった)
などの、叶わなかった切実な想いが作品に込められているとも読み取れることができます。
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『100日後に死ぬワニ』100日目、ⅬINEの謎は?
そして、最後に議論を巻き起こした問題がもう一つあります。
それが『100日目のⅬINEの謎』です。
「100日後に死ぬワニ」
— きくちゆうき (@yuukikikuchi) March 20, 2020
100日目 pic.twitter.com/r0Idn9I7mR
100日目・2ページ目。
ねずみくんがⅬINEで送ったのは、
満開の桜の画像と
『よくね?』のメッセージ。
また、3ページ目では
『スゲー!』『春に来たって感じ~』
とワニくんから返信が来てますが、先程まであった『よくね?』のメッセージが消えているのです。
力が入る最終回で、わざわざ作者がミスをするとも考えにくいですよね。
また、2ページ目と3ページ目で既読の数も微妙に変わっています。
これには様々な考察が飛び交い
- 3ページ目だけ過去の出来事(ワニくんは亡くなっている)→1年後にねずみくんが同じような画像を撮影→ⅬINEにあげた説
- 3ページ目、ねずみくんの返信を返す→直後にワニくん轢かれる→『よくね?』が不謹慎でねずみくんがメッセージを削除した説
- ねずみくんがバイクを運転しながら、赤信号でⅬINE→クラクションに急かされて青信号を慌てて発進→前方不注意→ワニくんを轢いてしまった説
など、推測で溢れています。(筆者的には、メッセ削除説に1票。)
本当に大事なひとを亡くした時、精神を守るために断片的に記憶が抜けたり、心労から記憶が全体的にぼやける経験をした方も中にはいるとは思いますが
あえて様々な推測ができるような表現のされ方は、そういった(大事な友人の)死に目の記憶が、時間が経つにつれてやや不完全になっていることを表現しているのでは…とも読み取れる気がします。
(深読みしすぎですかね?)
終わりに
いかがでしたか?
ほのぼのしたタッチの絵柄で、命の重さを描いた『100日後に死ぬワニ』。
決して難しい表現はないはずなのに、日常マンガでこれだけ様々な考察ができるすごい作品なので
小学生の国語・道徳あたりの教科書に採用されればいいのに…と割と本気で思った筆者です。
それでは、ご覧いただきありがとうございました。