子育て

いじめ解決の鍵は三月のライオンにある。最悪を避ける・解決するヒント

 

こんばんは!かずたかです。

今回のテーマは「いじめ問題」。

実は、「三月のライオン」という漫画でいじめについてリアルに取り上げられているってご存知でした か?

 

これから書く内容は、

いじめの渦中で苦しんでいる学生さん、

保護者の方々、

教育現場の方々にぜひ見て頂きたい。

 

全てのいじめのケースで解決!まではいかないですが

ひとつでも有効なところが見つかれば幸いです。

 

Contents

三月のライオンとは?

2017年に映画化された、将棋が題材の漫画です。

可愛い絵柄とは裏腹に、登場人物のリアルな心情や人間模様がすごく丁寧に描かれています。

 

コミックス5巻の後半、

中学校から帰ってきたヒロイン・川本ひなたは…

右足に内履き、左足にスリッパを履いて泣きながら帰ってきます。

学校でいじめがあったのは一目瞭然ですね。

 

前話でひなたが少し元気がないかな?くらいで

当の本人以外、ほぼ何の前触れもなく、いじめパートが始まってしまうのです。

 

実際、学校の様子を知らない家族にとって、

急に当事者から知らされる時ってこんな感じかなと思います。

 

そこから、ひなたを含む登場人物たちが

何度も話し合い、悩み、行動し…

学校内でのひなたへのいじめは解決へ向かいます。

 

では、彼女の周りの問題は、どのように解決へ向かったのでしょうか?

 

いじめ解決まで生き残る鍵

まず、いじめが解決するまでにそれなりの時間がかかることがほとんどです。

解決するまで、当事者が最悪の結果に至らず切り抜けられるかは

周りの環境がとても大きいです。

 

家族にすぐ話せたこと

明らかにいつもと履き物が違い、涙ぼろぼろの状態でひなたが取り繕えなかったこともありますが、

帰った直後に姉・あかりにいじめの経緯を正直に話しました。

 

学校以外の第三者に相談できたこと

姉に話した直後、主人公・零に本心を話しました。

 

明日から ひとりだ、ひとりぼっちになるのが怖いと話す反面

「私のした事はぜったい まちがってなんかない!!」と泣きながら話すひなた。

誰かに話す中で、自分の思いも整理できたのかもしれません。

 

その後も、主人公が図書館に連れ出してくれたり、

一対一で話を聞いてくれる機会が何度かあり、

ひとりで溜め込むより大分良い方向へ向かえたと思います。

 

家族が肯定してくれたこと

食卓で、おじいちゃんとも改めて話す機械がありました。

おじいちゃんの第一声は

「よくやった!!」の一言。

 

元々、ひなたの親友がいじめられて転校した経緯があったのですが、

ひなたがその子を庇っていじめられた経緯を聞いて

「何ひとつ間違っちゃいねえ!!」

「胸をはれ!!」

精一杯、おじいちゃんらしい言葉で称賛してくれました。

 

経緯はどうあれ、学校が居心地が悪い時は

家庭での居場所が重要になります。

 

いじめられて、精神的に切羽詰まっている時に

「もっと上手くやれなかったのか」なんて責められた日には、家族に心を開けなくなりますよね。

言いたいことはあっても、家族側は少しぐっとこらえて

まずは当事者の話を聞いてほしいものです。

 

いじめられているコミュニティ以外との関わり

今回だと、クラスメイト以外との関わりですね。

主人公が気を利かせて連絡してくれたことで、

他のクラスで交友があった野球部の男子が、昼休みにひなたのことをキャッチボールに誘ってくれました。

 

家族、クラス外、学校外の友だち…

どれかひとつ大事、というわけではなく

いじめの起きているコミュニティ以外で、頼れるところがなるべく多いことが重要かと思います。

 

いじめ解決までのプロセス

ここからもなかなか時間がかかります。

もし、実際にいじめが起きた時、しっかりと対応・解決できるかは

学校側の対応や力量も関係してきます。

 

担任、教師への発信

これはいじめられた被害者の性格にもよりますが、ひなたは直接担任に、正面から物申しています。

いじめのコミュニティの傍にいる大人も、時には声に出さないと見落とすことがありますからね。

 

ここで知ってほしいのが、その身近な大人に受け流された場合。

実はこの担任、毎年起こるいじめ問題に対してノイローゼ気味で、ひなたの発信を聞き流そうとしてくるのです。

(結果、担任はノイローゼで教室で倒れ、その後学年主任が代理担任となります…。)

 

担任から学年主任に代わり、また学年主任がいじめ問題を前向きに介入しようとしたことで、事態は変わっていきました。

コミュニティに近い教師が聞き流してきた場合、他の教師、何なら養護教諭とか、学年の違う先生とか、誰でもいいです。

とにかく少しでも話を聞いてくれる教師、解決を考えてくれる教師を探せればベストです。

 

学校全体のいじめ問題への介入

ここからが、「三月のライオン」で画期的な方法だなと特に思いました。

 

臨時担任こと学年主任の先生。

いじめ問題に対し

  1. 加害者(主犯)、被害者を個別で聞き取り
  2. 加害者(主犯)家族、被害者家族との三者面談
  3. 加害者側(主犯、協力者含む)を一斉に個別面談/同時進行でクラスメイトから聞き取り
  4. 加害者(主犯)の定期的な個別面談

ここまでがっつり介入してきました。

③の後、加害者側からの謝罪があり、いじめ問題は徐々に収束に向かいます。

 

ちなみに一番難しく、実際の教育現場でされてないであろうのが③。

ひなたをいじめた加害者グループは、主犯と協力者を含めて6人

その子たちを、学年主任以外の6人の先生に協力してもらい、それぞれ個別で同時刻に事情聴取。

同時進行で、学年主任の先生は残ったクラスメイトに聞き取り調査を進めたのです。

 

とてもでないですが、ただでさえ仕事量の多い学校現場。

これだけの時間と教師を揃えて聞き取りを行うには、学校側の全面協力が絶対不可欠です。

 

おわりに

いかがでしたか?

沢山書きましたが、今回のポイントです。

  • いじめの渦中で生き残るには、いじめられてるコミュニティ以外との繋がりを多く持ち、頼る
  • 家庭での理解、居場所があるとなお良い
  • いじめ解決には、教師の理解、協力が必要
  • 身近な教師以外でも相談していい
  • 根本解決を図るなら、学校側全体の協力と時間が必要

    ※実際には、いじめのケース、加害者・被害者の性格もバラバラなので、今回挙げたことが、全部が全部通用するとは限りません。

     

    時間をかけても解決が難しい場合、一時的にいじめのコミュニティから離れてみる(要は保健室登校、不登校など)のも選択肢のひとつとは思います。

    大事な命を失ったり、人格が修復不可能なレベルで壊れるよりはよっぽどマシですからね。

     

    どうかいじめの隠蔽ではなく、最悪の結果が少しでも減ることを願っています。